「宅建はゼロから独学だときつい」と感じるあなたへ|効率の良い勉強法を紹介

このコラムでは、宅建士(宅地建物取引士)の資格取得を目指す方に向けて、独学で勉強する難易度やメリット、デメリットなどについて説明しています。

悩む人々

宅建を独学で合格することは難しい?基本情報と難易度

宅建の独学は無理?きつい?その理由と現実

宅建士試験に独学で合格することは、多くの人にとって困難に感じられることが多いです。実際に、多くの受験生が「独学で合格は難しい」と感じる要因として、多くの法律知識が必要である点や、試験範囲が広く膨大であることが挙げられます。宅建士試験に独学で挑む方には、勉強計画の策定やモチベーション維持が特に重要です。

勉強を始めたけれど、試験範囲が広すぎて進めにくい…!

独学で宅建士の資格を取ろうとしている方の体験談

宅建士資格の取得には、広範な知識を正確に身につけることの難しさや、試験本番でのプレッシャーといった数々のハードルが伴います。特に独学では、学習内容の勘違いや知識の修正が難しいため、試験問題に対し「思い違いから正解を逃した」「ノーマークだった問題に困惑した」などの声が聞かれます。また、過去問では高得点を出せていても、本番では「プレッシャーに押されて実力が出し切れない」と感じる人も少なくありません。

普段の学習方法に加えて、試験本番の対策という点でも、しっかりと対処しないといけないですね。

宅建士試験の過去合格率

直近の宅建士試験における合格率は15.6%〜17.2%となっています。

年度合格率
2021年(令和3年)10月17.9%
2021年(令和3年)12月15.6%
2022年(令和4年)17.0%
2023年(令和5年)17.2%
2024年(令和6年)18.6%
出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構

※2021年(令和3年)は、新型コロナウイルス感染症の拡大予防のため、一部の都道府県において、10月と12月の2回に分けて試験が行われました。

宅建における独学のメリット・デメリットと注意点

宅建を独学で学ぶメリット

宅建士の資格を独学で目指すことには、多くのメリットがあります。自分の生活スタイルに合わせた柔軟な学習ができること、自分で考え抜く力を育成できること、好みの教材を選んで学べること、そして費用を抑えられることです。これらの特徴により、独学で宅建士を目指すことは、柔軟性があり、かつ経済的な選択肢となるでしょう。

1.自分のペースで学習できる

独学では、自分の生活スタイルや仕事に合わせて学習スケジュールを調整できるため、柔軟性の高さが大きなメリットです。決まった授業時間や進行スケジュールに縛られず、自由に学習計画を立てられるため、自分に合ったペースで進めることができます。予想外に忙しい日が続いたときでも、無理に進めるのではなく、一時的に負担を軽くしたり、必要に応じてスケジュールを見直すことも可能です。このように調整しながら進められることで、計画倒れを防ぎ、安定したペースで学習しやすくなります。自己管理ができるようになることも、独学の成功のカギといえるでしょう。

2.自分で考え抜く力がつく

独学で学習する魅力は、自分で問題解決をする力が身につくことです。わからないことにぶつかったとき、誰かに頼らずに解決策を考えるプロセスを繰り返すことで、思考力や理解力が深まります。自分で考え抜く経験は、学習内容の定着を高め、宅建士試験本番でも応用力として発揮されるでしょう。

3.好みの教材で学習できる

独学であれば、教科書や参考書を自分の好みに合わせて選べるため、興味を持てる教材や、自分の理解しやすいものを選ぶことで、学習意欲が高まり、やる気を保ちやすくなります。さらに、難易度や形式の合わない教材を無理に使わずに済むため、学習を始めるハードルも低くなり、スムーズにスタートしやすいのも独学の利点です。自分に合ったスタイルで学習をカスタマイズできるので、理解しやすい方法で知識を深められます。

4.費用を抑えて学べる

独学であれば、授業料や講座費用が不要なため、費用を大幅に抑えられるのが大きな魅力です。
「なるべく出費を抑えたい」という方にとっても、独学は経済的な負担を軽減できる方法といえます。

読者

仕事をしながら学習したいので、独学が向いているかも。

宅建を独学で学ぶデメリット

学習中に出てくる疑問点を自力で解決しなければならず、理解が遅れがちな点が挙げられます。特に難しいテーマではつまずきやすく、専門的な内容をカバーするために調べる手間が増える可能性があります。

また、学習の継続には自己管理が必要なため、忙しい時期やモチベーションが低下した際に計画通り進めにくいことも難点です。

さらに、独学では最新の試験傾向や変更点に対応する情報収集が難しく、過去問や模試を受ける機会も少ないため、実力を客観的に確認しづらいというデメリットもあります。費用を抑えられる反面、サポートがない分、自分でリソースを多く確保する必要があり、学習環境を整えるための労力がかかる点が独学の課題といえるでしょう。

当然ですが、メリットの裏返しでデメリットとなり得ることもたくさんでてきます。

資格学校や通信講座で学ぶメリット

資格学校や通信講座を利用することで、プロの講師による解説や、効率的な学習カリキュラムによって、独学と比較すると、学習の質が高まるだけでなく、短期間で知識を効率よく身につけることが期待できます。

また、わからない点を質問できるサポート体制が整っていることも多く、疑問を抱えたまま進むリスクが少なくなり、理解度が深まります。このような環境により、モチベーションを保ちながら、計画的かつ確実に合格へと近づくことができるのが特徴です。

通学制の場合、教室などの学習専用の空間で講義を受けるため、自宅に比べ、集中力を保ちやすいです。加えて、同じ目的を持つ仲間と一緒に学ぶことで「勉強モード」に入りやすく、効率的に学習を進められます。

総じて、スケジュール管理機能や課題提出などの仕組みにより、計画的に学習を進めやすく、自己管理が苦手な方にも適しています。

自分に必要なものを取捨選択してみると、自分にとって必要な学習環境がみえてくるかもしれません。

独学がきつい理由と向いていない人の特徴

独学がきつい理由

宅建士試験の内容には法律や権利関係、税制などの専門知識が多く含まれているため、初めて学ぶ人には理解が難しい箇所が多々あります。独学では、こうした難解な分野に対するサポートが不足しがちで、疑問が生じた際にすぐに解決できないため、知識の定着や理解が遅れる可能性があります。また、試験範囲が広く、最新の出題傾向に対応するための情報収集も自分で行わなければならず、自己管理能力が問われる点も大きなハードルです。

独学に向いていない人

・自己管理が苦手な人
・疑問をすぐに解決したい人
・最新の情報収集や、問題傾向に対応したい人

独学で宅建士試験合格を目指すための勉強方法とコツ

宅建試験に必要な学習時間と勉強スケジュールの立て方

一般的に宅建士試験に合格に必要な学習時間は200時間とも500時間とも言われており、人によって大きく異なります。
法律の知識の有無や、それまでの学習経験の有無によっても、必要な学習量が大きく異なるため、一概に必要な学習時間を定めることは難しいといえます。
そのうえで、いかに合格に必要な学習量をこなすための時間を確保できるか、が大切になってきます。

独学で合格を目指す人の勉強方法

独学での宅建学習は、自分に合った教材選びと学習方法がカギです。まず、理解を深めるために、基礎知識をしっかりと身につけることが大切です。次に過去問で実際の問題に数多く触れ、出題傾向に慣れることが重要です。これにより、効率よく学習内容を定着させることができます。

とにかくまずは”基礎知識”をしっかりと頭にいれることが大切です。

よくある学習の失敗例

宅建士の勉強では、時間配分の誤りが合格を遠ざける大きな原因となります。

例えば、難易度の高い「権利関係」に時間をかけすぎて、最も配点の高い「宅建業法」の対策が手薄になることがよくあります。
「宅建業法」は高得点を狙いやすい分野ですが、「正しいものはいくつあるか」という出題形式が多いため、選択肢の全てについて正確に判断ができる力が必要となるのです。
また、「法令上の制限」や「税法・その他」は後回しになりがちで、ここを疎かにすると得点を落としやすくなり、合格が難しくなります。

こういった正しいペース配分が出来るかは、合格への大きなカギになりそうです。

テキストや問題集の選び方

テキストや問題集を選ぶ際には、以下のような様々な観点で検討するとよいでしょう。

・レイアウトは文章中心か、イラストや図解が多いか
例えば法律や権利関係の内容を初めて学ぶ方には視覚的に理解しやすいイラストや図解の多いテキストが向いています。

・網羅性の高いテキストか、要点を重視したテキストか
網羅性の高いテキストは細かな解説や補足が充実しているため、基礎から応用まで幅広い知識が習得できます。特に、深い理解が求められる分野や背景知識を知っておくことで、応用問題にも対応しやすくなります。

一方、要点重視型のテキストでは、出題頻度の高い内容に集中できるため、短期間で効率よく学習が進みます。初学者にとっても取り組みやすいテキストと言えます。

まずは書店などで実際に手にとって比べてみることをオススメします。

スキマ時間の活用

通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を活用して、テキストの見直しや問題演習を行うと効果的です。短時間でも集中して学習することで、学習時間を確保しやすくなります。忙しい社会人の方などは、スキマ時間を活用して学習を進めましょう。

独学に行き詰まったときの対策とサポート方法

独学が難しいと感じたときのおすすめ対策

独学での学習が難しいと感じたときは、オンラインで無料で公開されている動画教材を活用するのもおすすめです。オンライン動画などで視覚的に学ぶことで理解が深まり、苦手分野も克服しやすくなります。
ただし、多くのコンテンツの中から有益なものを見つける作業に時間がかかってしまう場合もあります。

宅建学院では、ここでご紹介した要点を抑え、適切なスケジュールで合格へと導く通信講座「宅建超完璧講座」をご用意しています。
独学ではきつい、難しい、と感じた方はぜひご覧ください。

まとめ:宅建独学で合格を目指すための要点

宅建の独学で合格を目指すためには、しっかりと計画を立て、重要分野を優先して学習することが鍵となります。独学におけるメリットとデメリットを理解し、自分に合った方法で学習を進めましょう。行き詰まったときは資格学校や通信講座の活用も検討し、宅建士試験の合格を目指してください。

記事の監修

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宅建学院
1992年設立。30年以上にわたり、宅建士資格取得のための教育機関として、多くの宅建士試験の合格者を輩出。
書籍「らくらく宅建塾シリーズ」でおなじみ。
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